2025325日(火)、当会は下記6団体と共に、厚生労働大臣に対して国の障害年金「無改革」に関する抗議の申入れを行い、ただちに改革に向けた準備に着手するよう求め、同省と面談・意見交換を致しました。その後、同省にて記者会見を行いました。以下の通りご報告します。

 

<共同声明申入れ団体>

  • 特定非営利活動法人目と心の健康相談室
  • ジストニア・ジスキネジア患者の環境改善を目指す会
  • 眼球使用困難症候群協会
  • 特定非営利活動法人日本障害者協議会
  • 無年金障害者の会
  • 一般社団法人日本難病・疾病団体協議会

 

<面談参加者>(当会会員のみ掲載)

橋本宏子代表、藤岡毅運営委員、安部敬太運営委員、山本奈央運営委員

 

<厚生労働省対応者>

年金局年金課年金制度企画専門官

年金局年金課企画法令第一係 担当職員

(橋本代表から年金制度企画専門官への抗議声明手渡し)
(橋本代表から年金制度企画専門官への抗議声明手渡し)
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「共同抗議声明文」
共同抗議声明文.pdf
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<申入れ内容>

厚労省への申入れでは、冒頭、当会橋本代表が抗議書を手渡した後に、藤岡会員より改めて障害年金改革先送りに対する深い失望と抗議を伝え、「現状のやり方を続けていても、障害年金の問題は、大きな議論の中に埋没し、5年先送りが永遠に繰り返されるだけ。早急に障害年金専門部会を立ち上げて改革に向けた議論を開始すべき」との要望を伝えました。その後、約40分にわたり面談と意見交換を行いました。

面談の趣旨は、「厚労省も改革の必要性は感じているはずだから、共に知恵を出し合って、改善に向けて一緒に取り組みましょう」という願いを込めたものでした。

他団体からも厚労省に対し、「障害年金専門部会が立ち上がる際にはメンバーに当事者を加えるべき」、「検査数値の異常で障害を表せない難病等の人に障害年金を支給して早急に救済すべき」等の要望が伝えられました。

 

<厚労省からの主なコメント>

可能であれば今回は(退職後一定の国民年金加入期間に初診日がある人へ障害厚生年金受給権を認めることなど)障害年金改革を実現したかったが、社保審委員からは「そんなに単純な問題ではないのでは」という意見が出た。委員からは、社会保険原理・認定の客観性担保・他制度との整合性などの観点から慎重な議論を求められ、結果、保険料納付直近1年要件の継続のみの改革となった。引き続き検討を続けていきたい。

障害年金改革については、これまでテーマにすら上がらなかった。今回は改革に向けて第一歩を踏み出したと考えている。次に繋げたい。

専門部会の立ち上げについては、障害年金の何を議論し、何を改正すべきかについて整理が必要な状況で、メンバー選出以前の段階と認識している。

本日のご意見の内容は、局内に持ち帰って共有したい。

 

<記者会見>

厚生労働省との面談の後、同省記者クラブにおいて記者会見を開きました。

会見では、改めて今回の無改革への抗議と専門部会立ち上げを訴え、改革を後押しする世論のうねりを作ろうとの呼びかけがなされました。会見の最後に、当会安部会員が「封印されてきた障害年金に関する議論が今回40年ぶりに始まったことは画期的だと考えている。働けないのに年金に結び付かない人のことを考えていかないと障害年金は良いものになっていかない。数の論理で老齢年金中心の改革に終始したこれまでの経過を打ち破るためには、国民やマスコミの力がもっと必要」と訴えました。

 

 

(厚労省記者クラブで行われた記者会見)
(厚労省記者クラブで行われた記者会見)